記念誌制作・社史づくりのノウハウが分かる物語イメージ

【登場人物】
山田和夫……都内の企業に勤める28歳のサラリーマン。営業部に所属している。創立50周年に向けた記念誌制作担当者に任じられた。
岡本雄介……42歳男性。かつて編集プロダクションに勤めていたが、脱サラして喫茶店のオーナーに。マスターとして店に立つ毎日を送っている。

記念誌制作物語:第一四回 記念誌づくりスタート!-09

2016/10/24

約束の時間より30分早く山田は店に訪れた。

「あれ、早いですね」と岡本。
「仕事が早く終わったんで、早めに来ちゃったよ」
「いつものでいいですか?」
「うん」

ポットが載ったコンロに火が点く。コーヒーを淹れる間は、いつも通り岡本は一言もしゃべらない。山田も宙を見つめて、コーヒーが入るのを静かに待っている。

挽きたてのコーヒー豆がセットされたドリッパーにお湯が注がれ、コーヒーの香りがふんわりと漂う。「ああ良い香りだ」と山田が思った時、「ガチャ」っとドアが開いた。

「こんばんわ」と言いながら店に入ってきたのは、山田と同年代に見える髪を後ろで一つに束ねた女性だった。

女性のイメージ

岡本は頷くだけでコーヒーを淹れる手を止めない。抽出したコーヒーをカップに入れて山田の前に置いてから「いらっしゃい。悪いね、わざわざ」と言った。

「いいんですよ、暇だったし、岡本さんのコーヒーも久しぶりに飲みたかったので」といいながらその女性は笑顔を浮かべた。

「こちらが電話で話した山田さん」

予想に反して女性が現れたことにあっけにとられていた山田は「山田です」と答えるのが精一杯だった。

「はじめまして、フリーの編集者をやっている石川広子です。よろしくお願いします」と言いながら、その女性は名刺を差し出した。
「あ、すいません。キノシタ文具の山田和夫と申します」と山田も名刺を出した。

「広子ちゃん、ブレンドでいい?」

名刺交換が終わったところで、岡本が聞くと「はい」という澄んだ声が店内に響いた。

【著者プロフィール】
本間 幹(ほんまもとき)/「本間制作室」の編集、ライター担当。1973年、東京都生まれ。大学卒業後、出版社、広告制作会社勤務を経て、2006年、編集プロダクション入社。旅行誌、情報誌を中心にディレクション、編集、取材、執筆業務に従事する。2011年に編集プロダクション「本間制作室」立ち上げ。現在、ビジネス誌や記念誌・社史の制作に携わる。

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