記念誌制作・社史づくりのノウハウが分かる物語イメージ

【登場人物】
山田和夫……都内の企業に勤める28歳のサラリーマン。営業部に所属している。創立50周年に向けた記念誌制作担当者に任じられた。
岡本雄介……42歳男性。かつて編集プロダクションに勤めていたが、脱サラして喫茶店のオーナーに。マスターとして店に立つ毎日を送っている。

記念誌制作物語:第八回 記念誌づくりスタート!-03

2016/07/25

「いまの曲、『Moanin’』というんですけど一度は聞いたことがあるんじゃありませんか? ブルージーな雰囲気のあるファンキー・ジャズの代表曲ですね」

岡本が言う。

「マスターの饒舌がまた始まった」と思いながら、山田は少し大げさに答えた。

「うん、聞いたことがあるよ。そうそう、何かテレビ番組のテーマ曲に使われていたよね!」

「私がジャズを聴き始めた頃は、イントロのキャッチーなメロディーや当時20歳だった新進気鋭のトランペッター、リー・モーガンの表現力豊かなソロにばかり耳がいっていました。でも、この曲の肝はやはりバンドのリーダーであるアート・ブレイキーのドラムなんだと最近思うようになりました。ドラムソロのようなわかりやすい聞かせどころはありませんが、重厚でメリハリの利いたドラミングが曲を盛り上げているのは確かです。イントロからトランペットソロに移る際のドラムロールもカッコいい。やはりアート・ブレイキーは名手ですね」

 

ドラムスイメージ

 

「へえ、そうなんだ。さっきは何気なく聞いていたから、もう一度聞かせてもらってもいいかな? 今度はドラムに注意して聞いてみるよ」と山田。

「おやすい御用ですよ。ちなみに『Moanin’(モーニン)』と言っても、『朝』じゃなくて『うめく』っていう意味ですからね」などと言いながら、鼻歌交じりに岡本はCDを操作した。鼻歌をよく聞けば「タッタ、タタタタ、タッター」とモーニンのイントロである。山田がこの曲に興味を持ったのがよほどうれしかったのだろう。

そんな様子を見ながら山田がニヤニヤしているとピアノが奏でる例のイントロが流れてきた。そして、10分近くある曲が流れている間、二人とも黙ったまま、スピーカーからの音に耳を傾けていた。

【著者プロフィール】
本間 幹(ほんまもとき)/「本間制作室」の編集、ライター担当。1973年、東京都生まれ。大学卒業後、出版社、広告制作会社勤務を経て、2006年、編集プロダクション入社。旅行誌、情報誌を中心にディレクション、編集、取材、執筆業務に従事する。2011年に編集プロダクション「本間制作室」立ち上げ。現在、ビジネス誌や記念誌・社史の制作に携わる。

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